2016年6月7日火曜日

「月給160~200$はなければ生活できない」来年1月の縫製業最賃改定で労組。業界「カンボジアからの撤退に拍車」

 現在は140ドルで、ホーチミン市の最低賃金をすでに上回っている。すなわちベトナムのどの場所よりも高額な最低賃金となっている。
 最近のドル安傾向の中にあってすらそうである。

 しかも、一般に、ベトナム人の生産性はカンボジアの2倍を超えるというのが、プノンペンで7年間工場を経営した私を含め、大方の評価だ。

 一方で、160$ぐらいないと到底生活できないというのも、プノンペンとその周辺においては、生活実感として真実である。国産品をほぼ何も持たないカンボジアの国力のゆえである。ロン=ノル~クメール ルージュ~内戦時代の長い足踏みによってASEAN内でいったん大きく遅れを取ってしまったカンボジアにおいて、近隣国との激しい経済競争に伍しながら、あまねく国民の生活の質を高めていく施策を行うことは、無理難題であるとまではあえて言わないまでも、本当はものすごく時間のかかることのはずである。

 が、来たる総選挙に向けて野党のみならず政府与党もポピュリズムに走りつつある昨今のカンボジアにおいては、ASEAN地域経済・国際経済の力学を無視した性急な大衆迎合的施策が今後もなし崩し的に認められていくおそれがあり、カンボジアの長期的な経済的安定を損ねることが強く懸念される。

https://www.cambodiadaily.com/news/minimum-wage-talks-scheduled-113638/


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