2016年7月19日火曜日

ザマン インターナショナル スクールの閉鎖をトルコ政府がカンボジア政府に要請

 トルコの軍事クーデターが290名以上の死者を出して未遂に終わったことを受け、トルコのイルハン=ケマル=トゥー駐カンボジア大使は18日緊急記者会見を大使館で開き、プノンペン都内にある学校「ザマン インターナショナル スクール」がトルコのテロリストの管轄下にあるとして、カンボジアの政府と主要国会議員に同校への一切の支持の打ち切りを求めていることを明らかにするとともに、同校に対してカンボジアにおける一切の活動を停止するよう求めると宣言した。

 同校は、トルコのフェトフッラー=ギュレン師が主導するイスラーム市民運動「ギュレン運動」の支持者団体によってイスラーム振興を目的として全世界に設立されたザマン学校のうちの1校として、ギュレン運動のメンバーで、トルコの大手日刊紙「ザマン」のジャーナリストであったアティッラ=ユーセフ=グーレケル氏によって1997年に設立されたもので、男女完全分離教育を特徴とし、現在、幼稚園から大学まで生徒2千名以上を擁している。

 ザマンはトルコ語で「時」ないし「時代」を意味する。ザマン学校は全世界におよそ800校あるとロイター電は08年に推計している。ザマン紙は1986年創刊、長年にわたり最大手の反政府紙であり、ギュレン運動に強く賛同する論調であったが、3月にトルコ政府の言論弾圧によって強制接収された。

 ギュレン師がトルコのレジェップ=タイイップ=エルドアン大統領と袂をわかった13年、トルコ政府はギュレン運動をテロ組織認定しており、今回のクーデターについてもこの運動が背後にあるとしている。

 よって、トルコ政府は全世界のザマン学校の閉鎖を、カンボジアを含む各国政府に目下要請していると大使は述べた。

 これに対し、ザマン インターナショナル スクールを経営するザマン社のエジデル=クルチュ会長は「ザマン インターナショナル スクールの創立者たちはフェトフッラー=ギュレン氏の精神的動機と勧告によって創立した」と述べつつも、「当校の経営体制にギュレン氏の公式な連携・所有・関与は一切ない。当校群の構成・運営の意思決定に氏はいかなる形でもかかわっていない」と主張するとともに、ザマンは今回の軍事クーデターの企てを非難すると述べた。

 ギュレン師は米国に自主亡命中であり、今回のクーデターの企てを大統領自身によるものとして非難する声明を発している。トルコ政府はギュレン運動を「フェトフッラー=ギュレン テロ団(FETO)」と呼んで、今回のクーデター未遂に絡み、ギュレン師のトルコへの送還を米政府に要請している。

 商務省は、大使館からすでに同主旨の注意喚起を受けていることを明らかにしつつも、首相が国外にいるためまだ対応をとっていないと明らかにした。





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